Win10Pcap: WinPcap for Windows 10 (NDIS 6.x ドライバモデル対応)

Win10Pcap は WinPcap をベースに開発された新しい Ethernet パケットキャプチャライブラリです。

WinPcap と異なり、Win10Pcap は Windows 10 上で安定して動作するようにするため、NDIS 6.x ドライバモデルに準拠して実装されています。Win10Pcap は IEEE802.1Q VLAN タグをキャプチャ することができます。

Win10Pcap には、従来の WinPcap の DLL とバイナリ互換があります。Win10Pcap をインストールするだけで、Wireshark やその他の WinPcap に対応したアプリケーションを、そのまま使用することができます。

Win10Pcap は、筑波大学大学院のコンピュータサイエンス専攻の 登 大遊 によって個人的なプロジェクトとして開発されています。Win10Pcap のコードの多くの部分は WinPcap から移植されました。

 

Win10Pcap の特徴

Win10Pcap には以下のような特徴があります。

  • Win10Pcap は Windows 10 の x86 版と x64 版の両方で安定して動作します。
  • Win10Pcap は NDIS 6.x ドライバモデルで実装されています。
    (従来の WinPcap は NDIS 5.x ドライバモデルで実装されていました。)
  • Win10Pcap は、Windows 10 以外にも、Windows 8.1, 8, 7, Server 2012 R2, Server 2012 および Server 2008 R2 の x86 版と x64 版の両方で動作します。
  • Win10Pcap はオープンソースソフトウェアであり、GPLv2 ライセンス 下で ソースコードが公開 されています。
  • Win10Pcap は IEEE802.1Q VLAN タグ のキャプチャをすることができます。
  • Win10Pcap は、従来の WinPcap に存在していた LAN カードの列挙に関するバグを解消しています。
    WinPcap は、システム起動時に存在していた LAN カードのみを列挙できます。システム起動後に追加された LAN カードは列挙されませんでした。
    Win10Pcap では、システム起動後に追加された LAN カードを含め、すべての存在する LAN カードを正しく列挙することができます。
  • Win10Pcap は 10,000 バイトまでの Jumbo Frame のキャプチャに対応しています。
  • Win10Pcap は従来の WinPcap の DLL とバイナリ互換があります。
  • カーネルモードの Win10Pcap デバイスドライバは、Microsoft 社から 2015 年 6 月 8 日に 「Windows 10 Compatible」 ロゴを取得しています。

 

従来の WinPcap との違い

従来の WinPcap は大変素晴らしいパケットキャプチャライブラリです。しかし、WinPcap は NDIS 5.x ドライバモデルをベースに実装されています。

そこで、我々は WinPcap のコードを NDIS 6.x モデルに移植することにより、Windows 10 で安定して動作することができるようにしました。また、同時に従来の WinPcap が対応していなかった IEEE802.1Q VLAN タグのキャプチャ機能 も追加しました。

 

 

 

x86 および x64 の両方で 「Compatible with Windows 10」 ロゴを取得しました。